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クレームの言葉の奥にある想い は何か?IPI分析という手法

オピニオン 2020年1月13日 (月)  永井弥生(医療コンフリクトマネージャー/皮膚科専門医)

第3回の記事でコンフリクト・マネジメントの基本を次の3つに整理していますとお伝えしました。(『丁寧な説明も「言いくるめられた気が…」、医療メディエーターの役割とは』を参照)。 その1 傾聴・共感・承認 その2 本当の想い、背景、価値観を知る その3 事実確認と評価から問題解決へ 今回は『その2 本当の想い、背景、価値観を知る』についてご説明します。 手術後に亡くなられた患者さんのご家族の中には激しい怒りを表す方もおります。しかし、しっかり聴いていると最後には、「自分が手術を勧めた」、「自分がサインをした」、「もっとしてあげたいことがあった」――という後悔の言葉がわき出てきます。 怒りは二次的な感情、激しい怒りの奥には違う想いがあります。怒りをしっかり受け止めていると、表出されてくるのは、不安の思い、悲しみ、自分自身の葛藤、後悔、期待への裏切りなどの感情です。 故意に無理な要求をする本当のクレーマーでなければ、真剣で大事なことだから怒るのです。もちろん、対応は「傾聴・共感・承認」がまず最初、これがないと始まりません。 紛争を分析するIPI分析という分析法があります。これは、米ハーバード大...