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「北海道モデル成功」、「全国的に流行減少の兆し」だが予断を許さず

レポート 2020年3月20日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

北海道大学大学院医学研究院教授の西浦博氏は、3月19日に開催された政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(座長:脇田隆字・国立感染症研究所所長)後の記者会見で、2月28日に北海道知事が発出した「緊急事態宣言」により流行を抑えることができたとし、「北海道モデルが成功した」と評価した。 全国的に見ても、「流行の減少の兆しが見られる」と説明したが、その一方で、輸入感染者の増加で新たな流行が生じる危険があることなどから、「感染者の増加を許すと、いつか欧州と同様に、指数関数的に感染者数が増加するリスクがないわけではない」と予断を許さない状況にあると警鐘を鳴らした。西浦氏は、同日の専門家会議の「状況分析・提言」の参考データとなった流行状況の分析を行った(資料は、厚生労働省のホームページ)。 メモを取りながら、会見に臨む西浦博氏。 「北海道モデル」成功の根拠として挙げたのが、実効再生産数(R1:感染症流行が進行中の集団のある時刻における、1人の感染者が生み出した2次感染者数の平均値)の減少。「緊急事態宣言」発出前の2月16日から2月28日は「0.9」だったが、発出後の2月29日から3月12日ま...