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公判では検察側に不利な証言続く ◆Vol.3

レポート 2007年11月30日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

「記憶と違うことが調書にされたこともありました。訂正したいと思っても訂正できなかったこともありました。訂正を求めると、怒ったような不機嫌なような感じで、なかなか訂正してくれなかったのです」 被告の加藤克彦医師はこう発言し、逮捕から起訴に至る取り調べの段階で作成された調書には、事実とは異なる内容が記載されたことを示唆した。今年8月に開かれた福島県立大野病院事件の第8回公判でのことだ。 本事件の公判は、今年1月の第1回から10月の第9回まで、毎月1回のペースで開催されてきた(6月は開催されず)。判決の行方は予断を許さないが、これまでの経緯を見ると、検察側に不利な証言が目立つという印象は否めない。検察は、カルテなどの医療記録のほか、帝王切開手術に携わった関係者の調書や鑑定書などを根拠に起訴している。ところが証人尋問に呼ばれた関係者が調書とは異なる証言をしたり、鑑定医が鑑定結果とは違う発言をしたりするケースが何度か見られた。 最長で公判は8時間近くに及ぶ まずこれまでの経緯を整理しておこう(時間は目安)。 第1回公判(1月26日) ・午前10時-午後4時(途中休憩は約1時間) ・一般傍聴席26...