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医療関係紛争のアドバイザーになる場合あれこれ

オピニオン 2021年3月14日 (日)  坂口和史(平沼高明法律事務所)

Q1:最近、当院に通院し始めた患者Aさんから、「実は現在の不調は以前かかっていた他のクリニックの医師の医療ミスが原因なので、医師の責任を追及したい。証拠が欲しいので病気の原因に関する書面を書いてほしい」と言われました。 確かに、Aさんの説明どおりであれば医療ミスの可能性もあながち否定できませんが、面倒に巻き込まれたくはありません。協力してあげなければならないのですか。もし、Aさんの弁護士から協力を依頼された場合はどうでしょうか。 また、協力した場合、法的にはどのような意味がありますか。 A1:協力の義務はありませんが、患者さん、もしくはその弁護士から依頼を受けた場合には、自院での診療経過に関する情報の提供義務や自院での診断に関する診断書の交付義務があることには留意してください。 想定される協力の最たるものは、意見書を作成することです。意見書を書くと、訴訟では証拠(書証)として扱われます。意見書の評価・信用性が争点となった場合には、証人として法廷で証言することになる可能性もあります。ただ、実際に法廷に呼ばれるケースはそこまで多くはないようです。 1.協力義務の有無 ここでいう「協力」の最...