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【フランス便り】忍び寄る変異株の脅威、フランスにも

オピニオン 2021年3月8日 (月)  奥田七峰子(日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員)

3月4日、木曜日夜の政府による定例COVID会見で、フランスのジャン・カステックス首相が、3回目(少なくとも週末だけの)ロック・ダウンを発表するであろうとの大方の予想に反して、人口10万人当たりの週感染者400人を超えたパ・ド・カレー県を除いては他のハイ・リスク県も含め、ロック・ダウンを免れました。 代替策に、1万平メートル以上の商店の閉鎖と、戸外を含めてのマスク着用の義務、そして既に2カ月以上になる飲食店、文化・娯楽施設の閉鎖と、18時以降の外出禁止令は変わらぬまま継続となりました。県外への移動の自粛、集まりは6人以下も、推奨されました。待ち望まれていた飲食店、美術館等の条件付きテスト再開は今回も見送られた形となりました。 3月3日現在の1日の新規陽性者数2万6788人、新規ICU入院患者数322人、全ICU入院患者数3647人となり、厳しい数字。恐れられていたクリスマス休暇前後の感染者数増を奇跡的に回避、いったん落ち着いていた患者数が、ここへ来て再び大きく増えたのは、英国変異株の急増(全体の60%)が原因と言われています。今回の週末ロック・ダウンになったのも、地理的にイギリスとの玄...