成立までの長い道のりと医療界への期待

医師の働き方改革を進める改正医療法 参院本会議で可決・成立　5月21日、参議院本会議で、医師の働き方改革を進めるための改正医療法が、ようやく可決、成立した。僕は、厚生労働省時代に8本の法律案の作成に携わったが、他の法律案と比べても本当に長い長い道のりだった。　2017年3月28日に政府の働き方改革実現会議で「働き方改革実行計画」が決定され、日本全体の働き方改革を進めることになった。働き方改革実行計画には、正規雇用と非正規雇用の不合理な待遇格差を是正する「同一労働同一賃金」や「賃金引上げと生産性向上」といったテーマもあるが、特に働く現場に影響の大きいのは「罰則付き時間外労働の上限規制の導入など長時間労働の是正」と言ってよいだろう。　ただし、医師については、「時間外労働規制の対象とするが、医師法に基づく応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要。具体的には、改正法の施行期日（一般の労働者を対象とした法律がスタートした2019年4月のこと）の５年後を目途に規制を適用することとし、医療界の参加の下で検討の場を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、２年後を目途に規制の具体的...