「体に良いから食べましょう」とオススメしない方が良い理由
レポート
2021年6月20日 (日)
市川衛(医療の翻訳家)
「健康的な食生活」を推奨するためには、どんなメッセージを伝えるべきでしょうか? 例えば大学の学生食堂。カフェテリア形式(客が好みの料理を選んで、自分で運んで食べる)のところも多く、どうしても肉や揚げ物などハイカロリーなものが好まれます。そこで2017年に、米スタンフォード大学の研究チームは、どうすれば野菜メニューが選ばれるようになるかを調べました(※1)。 注目したのは、野菜メニューにつける「ラベル(名前)」です。お総菜屋さんなどで、例えば肉じゃがに「おふくろの味!田舎風肉じゃが」みたいなラベルがついていることがありますよね。研究チームは、全く同じ野菜メニューにつけるラベルを、次の4パターンの方針に従って変えてみました。
1)受け手側の要望に合わせた内容 (Indulgent)
2)標準的な内容(Basic)
3)体に悪いものがないことを強調した内容(Healthy Restrictive)
4)体に良いものがあることを強調した内容(Healthy Positive)
例えば「インゲンとエシャロットのサラダ」であれば、次のような4パターンに変えてみました。
1)甘...
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