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ウイルスでがん治療、「デリタクト注」を「医薬品」として価格検討へ

レポート 2021年6月23日 (水)  大西裕康(m3.com編集部)

 中医協総会(会長:小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)は6月23日、第一三共が東京大学医科学研究所と共同で開発したウイルスを用いた再生医療等製品、「デリタクト注」(一般名:テセルパツレブ)の保険収載に向け、「医薬品」として薬価を検討するとの方針を承認した。効能・効果は「悪性神経膠腫」で、6月11日付で製造販売承認を得ている。新再生医療等製品(希少疾病用再生医療等製品)の扱い。 デリタクトは、がん細胞でのみ増殖可能となるよう設計された人為的三重変異を有する増殖型遺伝子組換え単純ヘルペスウイルス1型(第三世代がん治療用単純ヘルペスウイルス1型)。悪性神経膠腫患者の腫瘍内に直接投与することで、▽腫瘍細胞内で選択的に複製され、複製の過程で感染細胞を破壊して殺細胞効果を示す、▽腫瘍反応性T細胞の誘導により抗腫瘍免疫効果を示すことで、悪性神経膠腫患者の生命予後を改善する――などが期待されている。 用法・用量は、成人には1 回当たり1 mL(1×109PFU)を腫瘍内に投与する。原則として、1回目と2回目は5~14日の間隔で、3回目以降は前回の投与から4 週間の間隔で、それぞれ投与する。投与は6回ま...