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教授選は「目立たない」方が勝てるのか、コントロールできない噂話

オピニオン 2021年6月27日 (日)  大塚篤司(近畿大学医学部皮膚科主任教授)

 教授選の噂話はあてにならない。「大塚は性格が悪い」 小学生の悪口のような悪意に振り回され、痛いほど身にしみて感じたことだ。 誰かが憶測で喋ったことが、いつの間にやら真実となり、同業者に拡散する。 初めての教授選終了後、ぼくが教授選に破れたことはあっという間に日本各地に広まった。「残念だったね」 優しく声をかけてくれる友人たち。「まだ若いから次がある」 不甲斐ない自分に気をかけてくれる先輩もいる。「おしかったね。1票差だったらしいぞ」 ありがたい言葉だ。 でも、なぜ票数まで知っている??? 教授選の得票数は一般に公開されることはない。関係者から直接聞かないと知り得ない情報だ。 噂話は恐ろしい。 決して友人とは言えない距離感の、知り合いの医師にまで教授選の詳細が広まっている。 そして何よりぼくが恐ろしいと感じたこと。 それは、噂話は嘘でもそれらしく伝わるということだ。 先の教授選の得票数、ぼくは1票差で負けていない。ダブルスコアの票差が付いていた。  その頃、あちこちでぼくのことを語る(自称)情報通が増えていた。 こんなこともあった。皮膚科志望の研修医の話だ。 彼と出会ったのは教授選の前...