1日2000人で宣言発出では「都内病床逼迫」感染研・鈴木氏ら
レポート
2021年6月30日 (水)
小川洋輔(m3.com編集部)
国立感染症研究所感染症疫学センター長の鈴木基氏らのグループは6月30日、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田隆字・国立感染症研究所所長)の第41回会合で、東京都で1日の新規感染者数が2000人を超えるまで緊急事態宣言が発出されない場合、入院・重症患者数が確保病床に迫る可能性があるなどとする「東京における流行プロジェクション」を公表した。鈴木氏は「ワクチン接種が進む中で高齢者の重症例は減ってくる。もしかしたら医療の逼迫が起こらないから大丈夫という感覚があるかもしれないが、まだ油断していい状況ではない。放置すると病床使用率が50%を超えてきて、現場では逼迫感が出る」と警鐘を鳴らした。 鈴木氏らは、ワクチン接種の進捗や東京五輪に伴う人流の増加などを想定し、デルタ株の感染力・病原性がアルファ株と比べて1.2倍(影響小)、1.3倍(影響中)、1.4倍(影響大)の3パターンのシミュレーションを示した。鈴木氏は「予想をしているわけではない」と複数の前提を置いたシナリオであると断った上で、「国内外のデータを総体的に加味した上で、1.3(影響中)が最もリアリティーが...
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