「いつの間にか保険診療に縛られていた」- 杉浦氏×竹口氏◆Vol.2
スペシャル企画 2021年7月24日 (土) 聞き手・まとめ：小川洋輔（m3.com編集部）、橋本佳子（m3.com編集長）
竹口：私たちがPCR検査や抗体検査に取り組む中で、私たちをはるかにしのぐ規模で乗り出してきたのがソフトバンク（SB）グループでした。杉浦：いろいろなところで、名前を聞くなぁという感じですか。竹口：巨大な塊として動いているのを横から見ていて、例えば私が日本に何とかマスクを輸入しなくてはと思って、小さい資金でドタバタしていた時に、SBグループ会長の孫正義さんが100万枚のマスクを無利益で届けると打ち上げていました。抗体検査の試薬の評価を行っていた時も、もっと大きい規模で、INNOVITAの試薬を使って解析していました。検体の郵送によるPCR検査を始めたら、すぐにSBも始められて、これはもう私の仕事はなくなったなと。杉浦：そんなことはないですよ。竹口：本当は政府にやっていただきたいけど、ちょっと政府も手が回らない部分を、小さい民間の力で埋めるべくジタバタしてきたのが私で、大きい力でボーンと動かしていたのが孫さんです。そういう動きを目の当たりにして、科研費を取って研究をするという時代から、製薬会社でも公的機関でもないところと協力をして、社会的にインパクトのある事業・研究を行っていく...