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地域医療「医師が患者を選ぶ余裕は少ない」-小豆畑丈夫・小豆畑病院院長に聞く◆Vol2

インタビュー 2021年8月1日 (日)  聞き手・まとめ:高橋直純(m3.com編集部)

【小豆畑病院院長の小豆畑丈夫氏に聞く】 Vol.1◆在宅医と救急医は「別の惑星の知的生命体」? ――小豆畑先生は救急がご専門でしたが、これまでのご経歴を教えてください。  日本大学を1995年に卒業して、初期臨床研修は日大病院の救命救急センターでした。もともとはがんの外科医になるつもりでいましたが、ちょうど卒業した年に救命救急センターが初めて研修医を募集しました。私達が学生の頃、救急医学は普通の系統講義の中にはなく、外科、内科があって、さらに専門分野に分かれているような医学体系でした。  そのような中で、私が6年生の時に新しくできたばかりの救急医学講座の先生は、「臓器に関係なく、とにかく命を救うためには頭の先から足の先まで全部診るんだよ」と話されていて、今まで私達が学んだ医療とは全然違うなと興味を持ちました。研修医の2年間だけ救急をやりたいと相談したところ、受け入れていただけたのです。  医師3年目からは日本大学の外科学講座に進み、約10年間勉強させていただきました。私が所属していた外科の丹正勝久先生が救急医学講座の教授になったこともあり、再び救急...