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「もはや災害時に近い局面」アドバイザリーボード

レポート 2021年8月12日 (木)  小川洋輔(m3.com編集部)

 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田隆字・国立感染症研究所所長)は8月11日の第47回会合で、感染の急拡大によって重症者や入院調整の数も急増しているとして、「もはや災害時の状況に近い局面を迎えている」との見解を取りまとめた。こうした危機感が十分に共有されず、夜間の人流減少も限定的で、「首都圏では当面は感染拡大が続くことが見込まれる」と強い警鐘を鳴らした。脇田座長は非公開の会合後の記者会見で、「今感染して、夜間に救急車を呼んでもすぐには入院できない状況になりつつある。自分や家族を守るためには、リスクの高い行動を避ける必要がある」と訴えた。 アドバイザリーボードは、「全国的にほぼ全ての地域で新規感染者数が急速に増加しており、これまでに経験したことのない感染拡大となっている」とし、「集中治療室等での対応など一般医療の制限や救急での搬送が困難な事例も生じている。多くの命が救えなくなるような危機的な状況さえ危惧され、一刻も早く、現下の感染拡大を速やかに抑えることが必要であり、改めて、こうした危機感を行政と市民が共有して対応し、直ちに接触の機会をさらに削減する...