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接種率8割・接触4割減でインフルエンザ相当の死亡者数に

レポート 2021年9月6日 (月)  小川洋輔(m3.com編集部)

 ワクチン接種がある程度行き渡れば、行動制限を緩和しても死亡者数を抑えられるのか――。クラスター対策班のメンバーとして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に携わってきた京都大学の古瀬佑気准教授(感染症学)が9月3日の対策分科会でシミュレーション結果を報告した。デルタ株程度の感染力などを前提とすると、対象者の8割以上が接種を済ませたとしても、コロナ禍前の生活に戻れば1シーズンで10万人以上の死亡者が出てしまう一方、一定の対策を継続すれば死亡者は1万人程度と、季節性インフルエンザの年間超過死亡の推定値に近くなる。古瀬氏は「シミュレーションを示すことで、どんな社会を目指すのか考えるきっかけになれば」と話している(資料は内閣官房のホームページ)。  接種後の社会の在り方に向けた国民的議論に期待を寄せる古瀬准教授  古瀬氏は政府側からの要請を受け、シミュレーションを実施。対策分科会はこの結果を参考に、「ワクチン・検査パッケージ」の活用などを柱とする提言を取りまとめた(『2次感染の低リスクを証明「ワクチン・検査パッケージ」活用を提言』を参照)。対策分科会の尾身茂会長は提...