第6波までにワクチン接種率を8割に
オピニオン
2021年10月2日 (土)
志賀隆(国際医療福祉大学救急医学主任教授/同大学成田病院救急科部長)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第5波に見舞われ、とても辛い8月が終わりました。皆様が実感されている通り9月になって私の施設でも入院依頼が減っています。第5波のピーク時には入院のタイミングが遅れてしまい、助けられる患者さんも助けられなくなる事態に陥りました。今は病床に余裕ができたため、よいタイミングで抗ウイルス薬、免疫を調整するステロイド薬などが使えています。 しかし、冬にはまた流行の波がくるのは間違いありません。波と波の間に、我々の対策もウイルスに負けずにバージョンアップしなくてはいけません。その要と考えるのは、やはりワクチン接種です。今回は国民の過半数が2回目接種を終えた日本のワクチン接種の今後について考えてみたいと思います。第5波で実感したワクチン効果 第5波ではこれまでに経験したことのないくらい多くのCOVID-19患者さんを診てきましたが、人工呼吸器管理となった方のほとんどはワクチン未接種でした。1人だけ、高齢の方で夏に2回目接種を終えていたにもかかわらず、感染してしまい、人工呼吸器管理となった方がいましたが、この方は糖尿病と肥満がありました。全体の感染が多く...
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