1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「投与法の工夫で高額薬も1/4の量で十分な効果」

「投与法の工夫で高額薬も1/4の量で十分な効果」

オピニオン 2021年10月24日 (日)  國頭英夫(日本赤十字社医療センター化学療法科)

 前回ご紹介したように、アメリカで”Value”を重視する研究団体として2017年に設立されたvi3c(value in cancer care consortium)ですが、最近”Optimal Cancer Care Alliance”(OCCA)と名称が変わったようです。新しくChairmanに就任されたプリンセス・マーガレットがんセンター(トロント)名誉教授のIan F Tannock先生にメールで問い合わせてみたところ、「前の名前では、コスト削減のことだけを目指しているのかと誤解する人がいる(むろんそれも目的ではあるが)ようなので、投与量削減によって副作用も軽減し、全体として癌治療の適正化を図るのだと、いうことを打ち出すことにした」という回答でした。 現在、Tannock先生たちは、「通常の投与量(多くの場合、phase IのMTD:maximal tolerated doseで設定されている)が、maximal effective doseより高いのではないかという根拠がある薬剤に対して、通常量(approved dose)と減量投与の比較試験を行いたい。そのために資金を調...