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感染症医は高度なコミュニケーションスキルが必要‐古本朗嗣・長崎大学病院感染症医療人育成センター長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2021年10月16日 (土)  堀勝雄(m3.com契約ライター)

 さまざまな感染症の流行と対峙してきた長い歴史を持つ長崎大学は、2021年4月1日、長崎大学病院内に、感染症専門医を始めとした感染症医療人材の育成を目的とした感染症医療人育成センターを設立した。センター長に就任した古本朗嗣氏に、日本の感染症対策の問題点、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策と感染症医療人育成における課題について聞いた(2021年9月3日オンラインインタビュー、計2回連載の2回目)。▼第1回はこちら 感染症医療人育成センター長・古本朗嗣氏 ――日本の感染症対策の問題点をどう認識していますか。  医療職への感染症教育がまだまだ十分でないこと、そしてその指導的立場である感染症専門医の不足が問題点として挙げられます。医師はどの診療科に進んでも感染症を診る機会はありますので、感染症診療の基本原則を知っておかなければならないのですが、それを臨床実践の場で学ぶ機会、場所がなかなかありません。最近では初期研修を通じて感染症診療を学ぶ機会が以前より増えていますが、まだ教育体制が整っていなかった学生・研修医時代を過ごしてきた指導医と臨床実践が異なることに若...