輸入薬の原価、透明性向上には限界
レポート
2021年11月5日 (金)
大西裕康(m3.com編集部)
輸入医薬品の製造原価などを積み上げる「原価計算方式」で薬価を算出する場合の透明性向上を求める中医協委員に対し、製薬業界側は「限界があり、既にやれることはやっている」との主張だ。対立構図とまではいかないまでも、製薬団体側が理解を求めるような情勢になっている。11月5日、中医協薬価専門部会(部会長:中村洋・慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授)が次期薬価制度改革に向けた意見聴取に、国内外の3製薬団体などの代表者が出席。グローバル展開する輸入品のバリューチェーンは製造過程などが複数国にまたがっているなど複雑であり、労務経費や製造経費を含む全ての経費で根拠の内訳を開示するのは現実的に不可能との見解を提示。その上で、中医協が検討している開示度に応じて係数を定め、薬価を抑制する仕組みについて、断念するよう要請した(医薬品の原価に関する開示度に応じて薬価を調整する仕組みの検討については、(『輸入医薬品の原価、開示度低い場合は薬価を抑制する仕組みを』などを参照)。...
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