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第6波「病床増よりも効率的運用がカギ」- 上野道雄・福岡県新型コロナウイルス感染症調整本部長に聞く◆Vol.3

スペシャル企画 2021年11月16日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――新型コロナウイルス感染症対応で、2021年春の第4波が最も厳しかったとのことです。  もちろん、それまでも病院病床、宿泊療養施設の確保のほか、さまざまな対策を講じてきました。  例えば、2020年冬の第3波、特に1月には高齢者施設でのクラスターが複数発生、高齢者がかなりお亡くなりになりました。もっとも、要介護度が重い高齢者を病院に搬送したら、それだけで病院が機能不全に陥りかねません。一方で、高齢者の場合、環境が変わるだけで認知症が進む可能性も大きい。高齢者施設の患者については、呼吸不全を伴う患者以外は「現地隔離」の方が、認知症は悪化せず、全体的な生命予後が良いと判断しました。第3波以降、県と県医師会が協同して、県内の約3000の高齢者施設とのオンライン会議を重ねた。高齢者施設の入居者とご家族に施設隔離と急性期病院での隔離や認知症の実態を伝え、その上で、ご家族と高齢者自らが決定していただくように伝えました。結果的に、第4波で高齢者の急性期病院への搬送が激減しました。第3波と同様の搬送体制では、相当厳しい状況に置かれたと思います。...