指導者選び、失敗すればキャリアが終わる
レポート
2021年11月21日 (日)
大塚篤司(近畿大学医学部皮膚科主任教授)
世間一般の人からすると、医者は人生が安泰にみえるようだ。ぼくの両親は医者でも医療関係者でもない。親族に医者はいない。そのため、医者世界の実情を知らない。
「一生食いっぱぐれないね」と親に言われたことがある。確かに、医師免許さえあれば日本のどこかで仕事を探せる状況はいまだに続いている。しかし仕事というのは、食べて生活できれば満足、というものでもない。人間関係、環境、出世、家庭など、多くの問題が山積し、それらを乗り越える必要がある。
医者の中で決まって議論となるテーマがある。
まず、医局に入るかどうか。一昔前であれば医局に入らないという選択肢はなかったが、研修制度が変わってからは新しい選択肢が生まれた。民間病院からスタートする研修もあるし、一生医局に属さなくとも医者を続けられる。
医局に入れば入るで、また悩みが尽きることはない。...
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