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感染の急拡大期「医療の管理下にない死亡」減らしたかった - 近藤久禎・国立病院機構本部DMAT事務次長に聞く◆Vol.5

インタビュー 2022年1月10日 (月)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――第4波、第5波の対応は、どんな状況だったのでしょうか。  第3波までは、クラスター対策を中心にやっていれば何とかなると思っていました。それを超えてしまったのが第4波以降。そのキーワードはスピードです。変異株の感染の速さです。  スピードが速いと、まず保健所の業務が破綻する。情報サージ(急増)が起きて、保健所業務が追い付かず、健康観察が始まず、混乱が生じる。あるいは入院対象患者の拡大のスピードに対して、病床の拡大が追い付かず、入院自宅待機者が増え、待機中に健康が悪化することもある。保健所業務が逼迫すると、クラスターが発生しても患者を搬送できず、施設内で対応しているうちに亡くなる方が出てくる――。そんな悪循環に陥ってしまいます。...