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日本の臨床研究の真価が問われる

オピニオン 2022年5月15日 (日)  國頭英夫(日本赤十字社医療センター化学療法科)

薬で癌が「治る」ことがあるのかどうか。従来は、固形癌では、プラチナ製剤などの殺細胞性薬剤による化学療法(つまり古典的な「抗癌剤」治療)で高率に治癒が得られる睾丸腫瘍などのごく例外的な状況を除き、まずそういうことはないと思われてきました。「治す」のは手術とか放射線治療とかいう局所療法しかない、ということです。しかしながら、考えてみると、術後化学療法では手術によって「治る」患者さんの割合が増える(増やすことを目的とする)わけですから、この「増えた」分だけは抗癌剤で「治った」のであって、必ずしも「薬では治らない」のではなさそうです。ただ術後治療の場合、薬を始める時点では既に目に見える腫瘍はありませんし、誰がその薬の恩恵を受けて治ったのか(それに対し、誰が手術単独で、薬なんか使わずに「治っていた」か)が分からないために、「薬で治した」という実感がないのでしょう。...