一審勝訴から一転、東京高裁は医師の名誉毀損認めず
レポート
2009年7月28日 (火)
橋本佳子(m3.com編集長)
2001年3月の東京女子医大事件で業務上過失致死罪に問われたものの、今年3月の東京高裁判決で無罪が確定している佐藤一樹氏(「院内事故調が生んだ“冤罪”、東京女子医大事件」を参照)が、共同通信社と、上毛新聞社、静岡新聞社、秋田魁新報社に損害賠償請求していた裁判で、東京高裁は7月28日、控訴を棄却、地方紙3社の記事が名誉毀損に当たるとしていた一審判決も取り消すとした。 2007年9月18日の東京地裁判決では、佐藤氏の訴えを一部認め、地方紙3社に110万円、165万円、110万円(請求は各社330万円、共同通信社に対しては1100万円)の支払いをそれぞれ命じた一方、配信元の共同通信社の記事は名誉毀損に当たらないとした。 佐藤一樹氏は、「今回の高裁判決は、『配信サービスの抗弁』を否定した最高裁判決と矛盾する内容であり、納得できない。上告する予定」と語っている。 「真実相当性」の判断は地裁、高裁判決に大差はなし 佐藤氏が問題視していたのは、東京女子医大事件で佐藤氏が逮捕された直後の2002年7月の記事。7月2日付けで共同通信社は「長時間吸引で血流逆流、基本動作ミスが事故を招く」と題する記事を配信...
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