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新型インフルエンザ報道により最大4割の受診者数低下◆Vol.34

スペシャル企画 2009年9月3日 (木)  伊藤 淳(m3.com編集部)

8月29日に開催された第19回日本外来小児科学会年次集会で、この5月に全国に先駆けて新型インフルエンザの流行が見られた大阪府にある絹巻小児科クリニック(大阪府吹田市)の絹巻宏氏は、新型インフルエンザ報道が受診者数に及ぼした影響を調査した結果、報道前に比べ最大4割も患者数が減少した週があったことを報告した。 絹巻氏は、兵庫県・大阪府での国内初の新型インフルエンザ発生およびその報道という“異常事態”において、患者の受診行動がどのように変化したか分析を行った。 調査方法は、受診記録簿とカルテより発生報道前後での受診者数等を調べ、「前週」(5月11日-17日)「1週目」(18日-24日)「2週目」(25日-31日)「3週目」(6月1日-7日)の1週間単位で比較した。また、6月1日には受診者数の変化とその解釈について、近畿地区の他の32診療所へもアンケートを実施した。 その結果、絹巻小児科クリニックの場合、前週を100%とした場合、受診者数は1週目97%、2週目78%、3週目61%と大幅な減少が見られた。近年の同時期における受診者数と比べても、2009年の患者数の減少が異常であることが確認された...