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「医療事故だったら調査する」では遅すぎる!◆Vol.32

レポート 2009年10月14日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

10月10日、神奈川県横浜市で、第62回日本胸部外科学会定期学術集会の医療安全講習会が開催された。テーマは、「院内事故調査委員会の重要性」。 演者の2人はいずれも同学会の会員で、その一人、東京医科大学医療安全管理学主任教授の相馬孝博氏は、「医療事故だったら調査する、では遅すぎる。事故か否かを判断するのは容易ではない。『不幸な結果』だったら、皆で検討することが必要」と指摘。その上で、(1)当該診療科の「通常の検討会」でも、すべてのアウトカムを検討、(2)警鐘的な問題事例には診療科と職種を超えた「病因死因(M&M)検討会」を開催、(3)必要に応じて、外部有識者を招へいして検討、という形で、「不幸な結果」を個人の責任を追及せず多角的に検証していく姿勢が求められるとした。 「医療事故が起きたら、どこかの誰から調べてくれると考えるのは間違い。『どこかの誰か』はいない。医師をはじめとする医療者がプロフェッショナルとして、自らの手で自律的に調査することが必要」と相馬氏は述べ、こうした取り組みが社会の信頼につながるとした。 もう一人の演者は、2001年の東京女子医大事件で人工心肺装置の操作を担当した、...