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ワクチン接種なければ36万人死亡も、京大・西浦氏

レポート 2023年4月15日 (土)  千葉雄登(m3.com編集部)

京都大学大学院医学研究科教授の西浦博氏は4月14日、日本内科学会総会・講演会のシンポジウムで3年間にわたる新型コロナウイルス感染症への対応の中で何が明らかとなってきたのかを振り返り、「数理モデルに基づくリアルタイム分析によると、ワクチン接種の直接的な効果によって第5波では1万8622人の死亡を防ぐことができた」と説明。仮にワクチン接種が存在していなかった場合を想定すると、「2021年8月時点で6300万人が感染し、そのうち36万人が死亡していた可能性がある」とのデータを提示した。こうしたデータを踏まえ、西浦氏は「ワクチン接種は生物学的な作用としての直接効果だけでなく、集団レベルで感染機会を減らすことによる間接効果も大きい。予防接種が全く実施されなかった仮定のシナリオと比較して、死亡は97%減少したと推定される」と強調した。...