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「医療判例の検証は医療者自らの手で」- 安福弁護士

レポート 2010年6月9日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

安福氏は、各種の医療裁判の鑑定書・意見書について、「果たして専門性の観点から十分なものなのか」と医療者に問いかける。 日本麻酔科学会第57回学術集会市民参加シンポジウム「周術期管理における麻酔科医の役割」の演者の一人、弁護士の安福謙二氏の講演内容は以下の通り(シンポジウムについては、 「麻酔科学会が大野病院事件でシンポジウム」を参照)。 【安福謙二・弁護士】(福島県立大野病院事件の被告医師の弁護人) 医療というのは、どんなに一生懸命やっても、何が起きるかを予測することは極めて難しい。何をやっても推測の域を出ないという現実がある。医療事故が起きた場合に、裁判であれ、医療事故調査であれ、いろいろな形で行われている時に、我々法律家がえてして見落としている、あるいは当然のように決め付けていることがあったのではないかと私は感じざるを得ない。 それは何か。例えば、「不幸な死」という事実があった時に、その原因とされる医療行為が特定される。それはいくらでも可能なこと。しかし、それをレトロスペクティブに言うことは可能であっても、術中の状態あるいは医療行為の状況の中で、プロスぺクティブに特定することができ...