「Data is Power」、手術症例データベースの重要性強調
レポート
2010年9月22日 (水)
橋本佳子(m3.com編集長)
「心臓外科の手術症例のデータベース構築により、症例数は米国などよりは少ないにもかかわらず、治療成績は極めて優秀であり、廊下の端しか歩いていなかった日本が、真ん中を歩けるようになった。『Data is Power』だ」 9月19日に開催された第58回日本心臓病学会学術集会の特別企画、「循環器疾患におけるData BaseとRegistry(全国的データ収集のあり方)」でこう語り、「日本心臓血管外科手術データベース」(JCVSD;Japan Cardiovascular Surgery Database)の現状を説明したのは、東京大学心臓外科講師の本村昇氏。JCVSDは、成人用と小児用に分かれ、本村氏が説明した成人用(JACVSD)は2001年にデータ入力がスタート、参加施設は年々増え、2010年8月末時点で246施設、登録症例数は12万2980件に上り、心臓血管外科手術を手がける施設数、症例数ともに日本の約65%をカバーしている。 座長の帝京大学循環器科教授の一色高明氏は、「ガイドライン作成に当たっては、RCTなどの研究結果が重要になる。ただRCTには、症状の軽い人が対象になり、“リアル...
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