医師不足の実態把握のカギは全病院長の“生の声”、山形大
レポート
2010年9月29日 (水)
橋本佳子(m3.com編集長)
「統計データでは見えにくい数字の意味を、病院長へのヒアリングで聞いた」とし、実地調査の重要性を強調する伊藤嘉高氏。 「医師不足の現状にあって、一番重要なのは、地域別に必要医師数を出すことではなく、大学医局からの医師の派遣を、民主的かつ透明性を確保した上で行う仕組みを作ること。今回の現状調査はそのために行ったもの」 こう説明するのは、山形大学大学院医学系研究科医療政策学助教の伊藤嘉高氏だ。伊藤氏がこのほどまとめたのは、「山形県内医療施設における患者動向及び医療従事者等に係わる現状調査報告」。山形県下で一般病床を持つ全病院、49施設に、診療科別医師数などの現状を書面で調査するとともに(回収率100%)、伊藤氏自らが49病院すべてを訪問、院長などに聞き取り調査を行ったもので、その結果をA4判831ページにも及ぶ膨大な冊子にまとめている(統計的調査の結果は、同教室のホームページに掲載)。 調査項目は、非常にきめ細かい。2次医療圏別に、診療科別の医師不足状況、常勤医師の赴任・離職の経緯(大学医局から、医局人事で他病院から、他の経緯で他病院から、その他)、常勤医師の出身大学、常勤医師の平均勤務年数...
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