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がん患者、放射線治療に支障を来す事態

スペシャル企画 2011年3月15日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

東北でがん治療を行う約50病院で組織する、東北がんネットワークの放射線治療専門委員会委員長で、山形大学医学部がん臨床センター長の根本建二氏によると、同ネットワークで放射線治療が困難になった病院が3月15日時点で把握できただけで16病院あり、患者の治療に支障を来す状況を呈している。放射線治療機器自体、あるいは冷却システムの故障などによる。 治療困難な施設はそれだけにとどまらない。特に地震の被害が甚大な、宮城県の石巻市、岩手県の大船渡市、宮古市などには、東北がんネットワークに所属している病院のほか、所属以外でも放射線治療を行っている病院があるが、「連絡がつかないため、現状が把握できず、困っている」(根本氏)。 放射線治療が困難になった病院の一つが、地震の被害で使用不能になっている仙台空港と同じ名取市にある、宮城県立がんセンター。1日約80人の放射線治療の患者を受け入れている。現在、東北厚生年金病院、仙台市立病院、東北労災病院などでの患者の受け入れを検討している。 一方、近隣の病院で対応が可能なケースは、患者の受け入れも始まっている。例えば、山形県では、山形市立病院済生館の患者は、山形大学で...