「低密度医療、低報酬」の悪循環脱却が必要 ‐ 中医協新委員・印南一路氏に聞く◆Vol.3
インタビュー
2011年5月25日 (水)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――医療費に続く研究テーマとして、医療提供体制を掲げ、社会的入院の問題に焦点を充てた理由は。 社会的入院の問題を取り上げたのは、やはり供給上で大きな問題である上、長い間、解決されていない問題であるためです。対症療法的な対策を一生懸命繰り返しても、皆が消耗するだけ。厚労省だけでなく、関係団体の方も含めて。その政治的調整にものすごいエネルギーを費やしている。何とか対処しても、2、3年経てば、別のところにフォーカスが移ってしまう。そしてまた数年経つと同じ問題がまた出てきている。これを過去20、30年ずっと繰り返しています。 では社会的入院の根本的原因は何なのか。それを明らかにしたいと考えたわけです。またこの問題に踏み込むのはタブー的なところもあったので、ならばチャレンジしようと。 印南一路氏は、「当総合政策学部のメーンテーマは、問題発見、問題解決だが、この問題解決が一番難しい」と指摘。 ――いつ頃から研究を開始したのでしょうか。 2006年ぐらい。当時、療養病床廃止の議論があり、療養病床に関する研究を多くの研究者がやっていました。僕も健保連(健康保険組合連合会)から依頼されましたが、療養病床...
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