現地リポート、震災から2カ月の宮城・石巻の今◆Vol.2
スペシャル企画
2011年5月13日 (金)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
「当初は、会員医療機関の約3分の1は診療をやめると考えていたが、実際にはかなりの先生方が診療を再開し、着実に復旧が進んでいる」。こう語るのは、石巻市医師会長の舛眞一氏だ。石巻市では、東日本大震災に伴う津波の被害で、全壊または一部損壊・半壊した施設が大半で、建物に被害がなかった医療機関でもライフラインの断絶に直面した。しかし、舛氏の言葉通り、既に約7割が診療を再開している。大震災から2カ月経った石巻市の現状や今後の課題を、舛氏にお聞きした(2011年5月10日にインタビュー)。 舛眞一氏は、「被災した石巻市立病院も再建も含め、今後の石巻市の医療提供体制は、地域で相談して決めていく必要があると考えている」と語る。 ――まず石巻市医師会の会員の被害状況をお教えください。 当医師会には、老人保健施設も含め、86の会員施設がありました。石巻市立病院や石巻赤十字病院など公的病院を除いた76の医師会員施設(病院は4施設)のうち、全壊25施設、一部損壊または半壊が35施設、問題なし(回答がなかった施設も含む)16施設という状況です。また、約190人の会員のうち、2人が大震災で死亡されています。 ――そ...
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