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国が上告断念、「保険取消は違法」が確定

レポート 2011年6月15日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

みぞべこどもクリニック(山梨県甲府市)院長の溝部達子氏が、保険医療機関指定と保険医登録の取消処分の取消を求め、国を訴えていた裁判で、国は上告期限の6月14日までに上告せず、溝部氏の勝訴が確定した。 東京高裁は5月31日に、取消処分について、「著しく妥当性を欠くことは明らかであり、裁量権の範囲を逸脱したものとして違法」として、溝部氏の訴えを認める判決を出していた(『「保険指定取消は違法」、東京高裁が国の控訴棄却』を参照)。保険指定・登録の取消処分が裁判で違法とされ、確定したのは初めて。 溝部氏は、「患者と医療者の正義が認められたことに心から安堵している。保険行政の長い暗黒の時代に、夜明けの光が差してきたと感じている。今後は、地道に医療を続け、地域医療に微力ながら貢献したい。また二度とこのような悲劇が繰り返させないために、またこのような負の遺産を若い保険医に残さないために、保険行政の改善・改革に力を尽くすことが私の使命だと考えている」とコメント。さらに、溝部氏は、厚生労働省や地方厚生局に対し、「判決を真摯に受け止め、透明性、公平公正・平等性があり、行政手続法に則った審査・指導・監査・行政処...