「医療の質の評価・公表推進事業」でシンポジウム
レポート
2011年7月19日 (火)
橋本佳子(m3.com編集長)
7月14日の第61回日本病院学会シンポジウム、「医療の質の評価・公表推進事業の成果」では、厚生労働省が2010年度から開始した同事業への日病としての取り組みが議論された。 シンポジストの間では、クオリティー・インディケーター(QI:Quality Indicator)の活用は、医療の質改善につながるとの見方では一致。大和高田市立病院院長の砂川晶生氏は、「当院において、他施設と比べて、特に低かったのが、手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率。投与のタイミングも、投与する抗菌薬の種類も各診療科で様々だった」と砂川氏。PDCAサイクルで改善に取り組んだ結果、2010年9月37.5%、10月33.6%と低かったが、2011年3月には97.3%にまで向上したという。 もっとも、QIの分析には手間がかかる上、改善に当たってはスタッフへの動機付けが重要であり、院内のコンセンサスをいかに得るか、その重要性がクローズアップされた。QI分析・公表に取り組む段階まで来た医療機関が増えているが、聖隷浜松病院副院長兼研修センター長の清水貴子氏は、「当院では、QIを医療の質改善に十分に活用できているとは言えない...
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