ルテニウム小線源、感染性廃棄物と共に誤廃棄
レポート
2011年10月4日 (火)
橋本佳子(m3.com編集長)
国立がん研究センターは10月4日、記者会見を開き、がん治療の際に用いるルテニウム小線源除去術を行った患者から抜去した放射線源を紛失、感染性廃棄物とともに誤って廃棄した可能性があることを公表した。この放射線源は、ルテニウム106と銀から成り、融点はそれぞれ2310℃、961℃。廃棄物処理業者は800℃で焼却処理を行っており、融解の恐れはないという。またルテニウム106はβ線(約6メガベクレル)を放出、1m離れた場所での放射線量は、約0.2μSv/時と低く、放射線による健康被害が生じる懸念もないとしている。 同センターでは、9月30日の17時30分ごろにルテニウム小線源除去術を実施しており、10月3日の夕方に紛失が判明。同日21時30分ごろに文部科学省に連絡済みで、築地警察署にも紛失届け出を出している。現在、焼却施設内を探しているという。 会見では、記者から、患者の疾患を求める質問が繰り返しされたが、理事長の嘉山孝正氏は、今回の事故では疾患が何であるかは関係がないこと、またプライバシーを理由に回答を控えた。 今回の事故が起きた理由について、放射線取扱主任者で、がん予防・検診研究センター検診...
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