日医、iPS細胞の営利目的利用を危惧
レポート
2012年10月10日 (水)
島田 昇(m3.com編集部)
京都大学教授の山中伸弥氏がノーベル医学生理学賞を受賞したことについて、日本医師会副会長の中川俊男氏は10月10日の定例記者会見で「全面的にお祝いし、支援していきたい」との見解を表明した。一方、受賞理由で山中教授が開発した「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」を活用した営利産業の発展を危惧する考えも示した。 日本医師会副会長の中川俊男氏は、ノーベル賞の受賞が決まった京都大学教授の山中伸弥氏を「全面的に支援する」と述べるとともに、iPS細胞の営利目的利用を危惧する考えを示した 日医は会長の横倉義武氏の名義で、「山中伸弥京都大学iPS細胞研究所長のノーベル医学・生理学賞受賞を受けて」と題した報道発表資料を発表(資料は、日医のホームページに掲載)。発表資料では、「医学、医療の世界では、病気の原因解明や治療など医療全般に応用が期待されるもの」「病気に苦しむ患者の方々を助けたいとの一心で基礎研究に没頭されていたお姿に、感銘を受けた」などと、今後の医療界に対する影響に関する期待と山中教授への敬意を表わす一方で、「法整備面、倫理面に関しても研究環境が整えられることになる」と今後の課題を指摘した上で、「日医...
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