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消費税裁判、医療法人の請求を棄却

レポート 2012年11月28日 (水)  池田宏之(m3.com編集部)

社会保険診療に対する消費税が非課税のまま、仕入れに係る消費税相当額を医療機関に負担させ続けているのは違憲として、兵庫県民間病院協会と4つの医療法人が国を相手どり、支払った消費税相当額の一部の返還を求めた国家賠償訴訟で、神戸地裁は11月27日、原告側の請求を棄却した。 主たる判断理由は二つ。一つは、仕入れに係る消費税相当額を消費者に転嫁できない状況は医療機関だけでなく、一般の事業者でも生じているため、「控除対象外消費税」の負担を回避する権利を医療機関は有していないこと。もう一つは、医療における消費税負担は診療報酬で手当がなされていることだ。判決は最終的に「控除対象外消費税」の負担について「一般的に当然受忍すべきものとされる制限の範囲を超えているということはできない」として、医療法人側の訴えを退けた。消費税率は2014年4月に8%、2015年10月に10%と段階的に引き上げることが決まり、医療における消費税の扱いが検討されている中、今後の議論に影響を及ぼす可能性がある。 「厚生労働大臣が適正な転嫁に配慮した診療報酬改定をすべき義務を負う」との見解も示した神戸地裁。 医療法人らは2010年9...