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指導教授に停職2カ月、“森口論文問題”

レポート 2012年12月28日 (金)  池田宏之(m3.com編集部)

「iPS細胞から心筋細胞を作り心臓病患者に移植した」と、元東京大学医学部附属病院の特任研究員の森口尚史氏が主張している問題で、森口氏の複数の論文にラスト・オーサーとして名前を連ねていた東京医科歯科大学医学部保健衛生学科教授の佐藤千史氏について、同大は12月28日、論文20本に関して佐藤氏の責任を認めた上で、停職2カ月の懲戒処分とした。また、佐藤教授の権限で森口氏に支払われた約130万円の研究費についても、返還を求めている。 同大は、佐藤氏と森口氏が共著者となっている論文23本を調査。うち2003年から2012年にかけて発表された20本について、「佐藤氏が共同研究者として関与せず、iPS細胞の専門知識がなかったのに、論理性・整合性のみを検証しただけで、ラスト・オーサーになった」と認定した。佐藤氏が無断で名前を利用された論文は3、4 本で、大部分は認識があったという。 同大の説明では、佐藤氏は「森口氏は自分の弟子で、よくやっていた。論文の書き方について指導していたので、指導者の立場として名前を載せた。データについては、全て廃棄した」と説明しているが、同大の調査委員会報告書は「(佐藤氏の)根...