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生活保護法改正案の廃案を

オピニオン 2013年11月21日 (木)  住江憲勇(全国保険医団体連合会会長)

先の通常国会において生活保護法「改正」案(以下「改正」案)、生活困窮者自立支援法案は、国民の強い反対もあり廃案となった。しかし政府は今国会に両法案を再提出し、参議院先議で審議を始め、わずか8時間ほどの審議で12日に厚生労働委員会での採決を強行し、本日本会議で自民、公明、民主、維新、みんななどの賛成多数で可決、衆院に送付した。社会保障の土台であり、国民生活に大きな影響を与える生活保護制度に関わる重要法案を、十分な審議もせずに可決することは断じて許されない。参議院厚生労働委員会および参議院本会議での両法案の可決に強く抗議するとともに、衆議院での廃案を強く求める。 「改正」案の内容は、申請にあたっての書類提出の義務付け、扶養義務の強化(親族への保護開始の通知、親族への調査権限の強化等)などが盛り込まれており、困窮する要保護者に対して制度を利用しづらくし、国民を制度から締め出すものとなっている。生活困窮者自立支援法案も「就労支援」を名目に、生活保護の利用を妨げる手段とされる恐れがある。すでに現場では扶養を理由とした申請締め出しの強化など法改定を先取りするような動きも見られる。法案成立はこうした...