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女子医大入局、循環器内科の道へ◆Vol.3

スペシャル企画 2014年9月16日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「30歳までに、『これだ』と思うことを見つけなさい」というのが、永井教授のアドバイスだった。榊原記念病院での研修と並行して、ライフワーク探しを始める。 榊原記念病院は、本当に多忙でしたが、半年ぐらい経ったら、少しゆとりが出てきました。その頃はちょうどEBM、エビデンスの重要性が言われるようになって、アメリカでガイドラインなども出されるようになった時代です。 循環器の分野では、比較的早くから、アメリカのガイドラインが輸入されていた。僕は、患者さんへのインフォームド・コンセントで、冠動脈バイパス手術か、PCIかを決定する際に、「アメリカのデータによると、1枝だから、PCIでこれくらいの成績が期待できる」などと説明していたのです。すると、患者さんから、「何でアメリカのデータなんですか。ここ日本ですけれど」と聞かれる。「すみません、日本のデータはないんです」「ええっ。ないって、いいんですか、それで」「いや、でも一応、人種差はないと考えられていて…」と、一生懸命に説明する。でも正直、いい気持ちはしませんでした。 初期研修をした群馬大学、その後に入局した東京女子医大よりも、後期研修の後半に当たる榊...