医師の残業上限特例、「1860時間はおかしい」
レポート
2019年7月22日 (月)
大西裕康(m3.com編集部)
厚生労働省が7月18日に開いた社会保障審議会・医療部会(部会長=永井良三・自治医科大学長)では、厚労省が一部医療機関や研鑽を積んでいる最中の医師を対象に期限付きで認める残業上限特例「1860時間」について、改めて異論が出た。日本精神科病院協会会長の山崎学氏が、「1860時間」を算出した際の根拠になっている調査の内容を問題視。「『医師の労働はこういうもの』ときちんと定義した上で再調査し、実際どれくらいの過重労働になっているかきちんとしたデータを使って検討しないとおかしい」と述べ、再考を求めた。また、医師偏在が解消されず、無給医に給料を支払う財源の手当てもなく働き方を進めれば、医療崩壊は免れないと警鐘を鳴らした。 山崎氏は、「1860時間」の根拠になっている医師10万人調査について、「自主申告による労働時間の調査で2000時間以上の過重労働がある、という結果だったが、実際に医師として働いている時間を、きちんと意味付けしておらず、学会出張など本来の診療業務に関わっていない時間も含めて計算していたなどのきらいがかなりある」との見方を示した。その上で、「『労働はこういうもの』ときちんと定義した上...
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