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1.5億クラウドファンディング「#マスクを医療従事者に」の舞台裏

オピニオン 2020年5月27日 (水)  竹口優三(福島県立医科大学細胞統合生理学講座)

ジャパンハートが4月15日から開始した、1日で1.5億円を集めるというクラウドファンディング史上に残る記録で話題を呼んだ「#マスクを医療従事者に」プロジェクト。私はその立ち上げからかかわってきた。 金額の華々しさとは裏腹に、舞台裏は、絶え間なく続く偽造品との闘いであった。その最たる問題として取り上げたいのが、偽造品の流通である。悪意ある業者はもちろんであるが、我々が実際に多く直面したのは自身もだまされて提案してくる善意の業者や寄付の申し出だった。そういった中から本物を選び抜く熾烈な調達の末に、「#マスクを医療従事者に」プロジェクトでは、500余りの医療機関に、計100万枚の本物のサージカルマスクと100万枚の一般三層マスクを無事に届けることができた。1カ月が経過して市中ではマスクの流通が再開し始めた5月でも、高価格の医療用マスクは偽造品の標的となっている。 今でも本物のサージカルマスクかどうかの確認を依頼されて、マスクを切り裂いてみると、内部に粗悪なフィルターしか入っていないことや何も入っていないことさえある。 「直面する現実」〜あっと驚く偽物証明書、契約書、営業資料〜 クラウドファン...