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【フランス便り】無過失補償、立証義務が被害者側から医療者へ

オピニオン 2020年12月19日 (土)  奥田七峰子(日本医師会総合政策研究機構フランス駐在研究員)

前回お約束しました通り、今回のテーマは、フランスの裁判外紛争解決での無過失医療事故補償制度について。2003年3月4日制定法、通称患者権利法が根拠法となり、ONIAM(Office National d’Indemnisations Accidents Medicaux=国立医療事故補償機構)と、その下部組織に当たるCRCI(Commission Régionale de Conciliation et d’Indemnisation des accidents médicaux = 地方医療事故損害調停委員会)が設立されました。 同時に制定された終末期緩和ケア法と並び、時の保健大臣ベルナール・クシュネール(消化器内科医・社会党議員、国境なき医師団の創始者)が最も力を入れた患者権利を強化した法律です。 従来の医療事故裁判は、立証義務が被害者側にあり、判決までに長期化、裁判費用の高騰から患者側には非常に困難なものでした。本制度は、被害者救済を目的とし、無過失の証明責任を医療機関側に課し、迅速な裁判外解決を可能としました。ただし、補償の対象は、恒久的機能損失率が25%以上または労働不能6カ...