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混合診療の安全性と有効性は誰が評価するのか◆Vol.4

スペシャル企画 2007年12月12日 (水)  上 昌広(東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム部門准教授)

混合診療に関する解説も4回目になり、この間、読者の方から多くの御意見をいただいた。その意見の中で最も多かったのは、「混合診療を解禁すると、悪徳な医者や企業が金儲けをたくらんで安全性・有効性がはっきりしない治療を進め、患者に被害を与える」というものである。多くの医療者がこのような危惧を抱くことは理解できるし、これまでに医療者の中に不心得者がいたことは紛れもない事実である。また、政府の経済財政諮問会議や規制改革会議のお歴々の個性も、医療者の危惧を助長するのに一役買っているだろう。しかし、この問題は、そのような先入観を持って議論すべきだろうか。 今回は、混合診療の問題を、安全性・有効性の評価と治療の費用負担の2つに分けて考えてみたい。言うまでもないが、安全性と有効性が証明されている治療を国民があまねく受けることができるようにするのは、すべての医療者の共通の願いであろう。だが、悲しいかな、世の中には有効性も安全性もはっきりしない治療が数多く存在する。この中には、未承認の抗癌剤から医薬品の適応外使用、さらに一部の健康食品・免疫療法などの“トンデモ治療”まで含まれる。 では、治療の安全性・有効性と...