3月に論告求刑、今夏にも判決の予定- Vol.10◆大野病院事件
スペシャル企画
2008年1月25日 (金)
橋本佳子(m3.com編集長)
医療崩壊が加速するか否か――。その行方を大きく左右するのが、福島県立大野病院事件。この3月に論告求刑、5月には最終弁論がそれぞれ行われ、今夏にも判決が出る見通しだ。これまでの公判を傍聴する限りでは、被告医師の過失は認定されていないと見るのが妥当だが、予断を許さない。公判の経過を整理するとともに、判決の影響を探った。 暮れも押し迫った昨年の12月21日、福島県立大野病院事件の第11回公判が開かれ、加藤克彦医師への被告人質問が実施された(詳細は、「異状死の届け出はしなくていい」 「墓前で自然な気持ちで土下座した」を参照)。昨年1月からほぼ毎月1回のペースで公判が開催された本事件は、1月25日の供述調書などの証拠調べと遺族3人の意見陳述を残すのみとなっている。その後は、3月14日の論告求刑、5月9日の最終弁論を経て、判決に至る。 最大の争点に関する証人の意見分かれる 本事件では、2004年12月に大野病院で帝王切開手術後に女性が死亡、手術を担当した産婦人科医の加藤克彦医師が、業務上過失致死罪と、異状死の届け出を定めた医師法第21条違反に問われている。 公判開始前に行われた「公判前整理手続き」...
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