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先端医療で立ち遅れる日本を憂う- Vol.9◆医学研究

スペシャル企画 2008年1月24日 (木)  聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)

松本慎一氏は、世界で初めて生体膵島移植に成功するなど、膵島移植の第一人者。昨年9月の国際膵・膵島移植学会で発表した最新データは注目度が高く、米国内外から問い合わせが殺到しているという。松本氏は、「日本では先端医療の新規開発はやりにくい」と指摘する。研究成果とともに、先端医療を支える制度の日米の違いについて聞いた。 1988年神戸大医学部卒。97年米国ミネソタ大、99年ワシントン大に留学し、膵島移植の研究・臨床に従事。2002年京都大、2005年世界初の生体膵島移植に成功、2006年藤田保健衛生大医学部外科教授、2006年12 月から現職。 ――2007年9月の学会での発表は、大変な反響だったとお聞きしています。 国際膵・膵島移植学会など3つの移植学会のジョイント学会が、ミネソタ州ミネアポリスで開催され、私は膵島移植の最新成果を発表しました。米国内外のテレビをはじめ各種メディアで取り上げられ、私の移植方法を採用希望の施設もあります。 ――そもそも膵島移植とは何かをお教えください。 膵島移植とは、糖尿病の根本的治療法として注目されている、新しい方法です。脳死・心停止・生体ドナーの膵臓から、...