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“割りばし事件”、高裁判決でも医師無罪

レポート 2008年11月21日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

11月20日、東京高裁で、“割りばし事件”の検察の控訴が棄却され、業務上過失致死罪に問われていた担当医は無罪となった。 この事件は、1999年7月、男児(当時4歳)が割りばしをくわえて転倒、杏林大学付属病院の救急外来を受診して処置後に帰宅したものの、その翌日に死亡した事案。担当した耳鼻咽喉科医が業務上過失致死罪に問われたが、2006年3月28日の東京地裁の一審判決は無罪、2008年2月12日の民事裁判でも原告(遺族側)の損害賠償請求は棄却された。 高裁判決では、「割りばしの刺入による頭蓋内損傷を疑って、問診やCT検査などを行い、確認すべき注意義務があるとはいえない」などとして担当医の過失そのものを否定、業務上過失致死罪は成立しないとした。 刑事裁判の一審判決では、担当医の過失は認めつつ、男児の死亡との因果関係がないとして無罪となった。一方、民事裁判では担当医の過失そのものを否定しており(「“割りばし事件”の民事・刑事判決に相違」を参照)、高裁での判断が注目されていた。 判決後、担当医の弁護団は記者会見を開き、主任弁護人の奥田保氏は、「過失を否定した高裁の判断に敬意を表する」との見解を述...