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日本医大病院に是正勧告、無給医へ外来診療の賃金支払い

レポート 2021年1月26日 (火)  水谷悠(m3.com編集部)

日本医科大学付属病院が大学院生の医師に外来診療をさせながら賃金を支払っていなかったとして、中央労働基準監督署が是正勧告をしていたことを、弁護士の松丸正氏が1月26日に都内で記者会見して明らかにした。同氏によると、いわゆる「無給医」の大学院生による診療行為について労働と認めて賃金支払いを勧告したのは初めてとみられ、「労基署も前例がないと言っており、全国の医科大学の実態を是正させる第一歩になると思う。この決定は常識だが画期的だ」と述べた。 松丸氏は会見で、中央労基署に日本医大付属病院の労働基準法違反を申告した大学院生のコメントを読み上げた。 診療は労働に当たるという当たり前の判断がなされて良かったと思います。大学病院では無給診療は当然という考えが根強くありますが、やりがい搾取を前提とした医療など間違っていると思います。医療機関として社会の規範を順守し、適切な対応がなされることを願います。 是正勧告は1月20日付。大学院生11人に対して2018年10月28日から11月9日までの外来診療に関する賃金を支払っておらず、これが労基法で賃金の支払いを規定した第24条に違反していると勧告した。指導票で...