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「不満を言うだけでは信頼回復できず」

レポート 2008年7月7日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

「医師の自律規範を機能させるには、諸外国のように法的根拠を作ることが必要」と語る、東京医科歯科大学名誉教授の岡嶋道夫氏。 「高い医療倫理が求められる現状にあって、他者による処罰を受けているだけ、また他者からの追及に不満を述べているだけでは、医師は国民から真の信頼を得ることはできない」 東京医科歯科大学名誉教授でドイツの医療事情に詳しい、岡嶋道夫氏は7月5日、東京都内で開催された「医療と法律研究協会」のシンポジウム「日本の医療をよりよくするために」で、こう指摘した。 最近、様々な場、特に医療事故との関連で「医師の自律的処分制度」の必要性が指摘されるようになっている(「厚労省“事故調”で医療は崩壊」などを参照)。 岡嶋氏は、ドイツでは「医師職業規則」をはじめ医師の各種規則を定め、「医師職業裁判所」で審判を行っている現状を紹介。医療行為や医療倫理などで問題がある医師に対しては、日本の民事・刑事に相当する処分のほか、「医師職業裁判所」で、医師も交えた審判により、処分が行われているとした。同裁判所は、一番厳しい処分では、医師資格の剥奪(はくだつ)を行うことから、強いて言えば日本での行政処分に相当...