「真相究明」は死因同定に限らず - オープンカンファレンス◆Vol.2
レポート
2008年2月25日 (月)
橋本佳子(m3.com編集長)
オープンカンファレンスの第二のポイントである、「死因究明の難しさ」をめぐる議論を次に紹介する(カンファレンスの詳細は「「血管損傷」の鑑定結果に異議あり」、を参照)。 「死亡原因は、控訴人病院医師によるカテーテル挿入時の血管損傷によって起きた出血性ショックであり、本件において、テオフィリン中毒がこれに影響を与えたことを認めるに足りる的確な証拠はない」 2007年12月の高裁判決では、患者の死因についてこう判断され、死因は「カテーテルでの血管損傷による出血性ショック」とされた。しかし、2月24日のオープンカンファレンスでは、「患者の死亡は、急性テオフィリン中毒ではないか」との意見が多数を占めた。 急性テオフィリン中毒はエビデンス不足で立証できず 救急外来で最初に検査した際の患者の血中テオフィリンは103.5μg/mLと、極めて高値だった。浜松医科大学の石崎氏は、テオフィリンの有効血中濃度は5-20μg/mL であり、40-60 mLでの死亡例もあるという論文を紹介した。高濃度のテオフィリン中毒では、様々な病態が起こり得るとし、死亡の危険が高まるとした上で、「普通の投与量で、103.5μg/...
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